不思議な国JAPAN

90年代の話ですが、仕事でドイツやアメリカの大学教授夫妻らを鎌倉・横浜に観光案内したことがあります。その際、江ノ電に乗りましたが、江ノ電というのは線路と民家の間がとても狭いのが特徴です。

外国人たちは、電車のすぐそばに民家が建っているのに、とても驚いていました。窓から手を出して、民家のブロック塀に触ろうとする人までいました。よほど珍しかったのでしょう。日本人でも、江ノ電のあの近さは驚きですが、外国人にとっては衝撃だったようです。その後長谷の大仏に連れて行きましたが、写真ばかり撮っていて、そんなに興味はなさそう。

ランチには、鎌倉山の●亭という会席料理の店に連れて行きました。●亭は、山一つがすべて料亭の敷地です。5万平方メートルという広大な敷地に、十三重の塔や八角堂、石造十王像、百仏崖などが点在しています。外国人たちはその景色に「オウ!」とか何とか言っていましたが、まあまあの反応。

食事は、そば会席。外国人たちには、量が少なかったかもしれません。料理よりも、盛り付けの美しさと器に興味を持ったようでした。

午後、小町通りに連れて行ったら、今度は興味津々でいろいろな店に入ろうとします。小町通りの店というのは、こじんまりした店がほとんどです。身体の大きな外国人からしたら、おもちゃみたいな感じなのかもしれません。和風の小物雑貨を売っている店は、みんな気に入ったようでした。お土産を買って満足気です。

夕方は横浜のみなとみらいに行きました。鎌倉とはまったく違う未来的な景色に驚いていましたが、それ以上に彼らが驚いたものがあります。それは「写ルンです」の自動販売機。今はスマホで写真が撮れる時代ですから、もう使い捨てカメラなんて、どこ探しても売っていませんが、当時は写ルンですの全盛期。ドイツ人やアメリカ人は、カメラが使い捨であることにまずビックリしたようです。そして、それが自動販売機で売られていたことに、さらに驚いたのです。確かに日本人でもインスタントとはいえ、カメラの自動販売機は珍しい。私もあまり見たことがありません。でもあの当時、みなとみらいの入口では売っていたのです。今はもちろん、そんな自動販売機はありません。

外国人たちには、大仏やお寺よりも、明らかに江ノ電と写ルンですの自動販売機のほうがインパクトがあったようです。不思議な国JAPANという印象が、さらに強くなったかもしれません。